認知症の母の話

 

「認知症の母の話」

 

私の母は認知症で 要介護5です。しばらく自宅で介護したあと グループホームを経て、

今は父と同じ老人ホームに入っています。

今はもうほとんど喋らない母も グループホームにいたころは よく話をしていました。

「学生時代はクラスのリーダーだった」「モダンバレエが得意で いつもみんなのお手本だった」

どれも 自分が輝いていた頃の思い出ばかりでした。

 

 私は 高齢者施設で認知症の方のお話を伺う機会がありますが、多くの方が同じように

ご自分の誇りや思い出を語ってくださいます。

「カラオケが一番上手だった」「営業成績はいつもトップだった」「着付け教室でたくさんの生徒さんを教えていた」

皆さん、本当に目を輝かせ 生き生きと話されます。

きっと その方にとって一番輝いていた時間を、心の中で生きていらっしゃるのでしょう。

そのお話を聴いている私まで 温かい気持ちになりました。

 もちろん現実には、トイレの介助が必要だったり、不安や混乱から怒ってしまったり、

ご家族やスタッフが対応に苦労されることも少なくありません。

 

  介護のご相談は、ご家族からいただくことがほとんどです。

傾聴カウンセラーが 認知症の方のお話をゆっくりお聴きすることで、その間だけでも

ご家族は介護から少し離れ、ご自身の時間を持つことができます。

 現実はすぐには変わらなくても、ほんの少し心と体を休める時間があるだけで 気持ちにゆとりが生まれます。

 その小さなゆとりが、明日からの介護を支える力になるのかもしれません。

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